今日は、宝木用水が120年経った今でも壊れずに使われている秘密を考えてみました。移り住んで200年。工事に取り組んで50年。地元の人たちの技術ではすぐ崩れてしまう水路を、どのような工夫で設計したのでしょう。二宮さんと吉良さんの設計の秘密を考えました。「考えた・・・」とは言っても、実際に見に行くことができないので、先生の写真を使って考えました。
まずは、崩れないようにする工夫。友達が言ったように「流れを遅くすれば」いいんですよね。そのために「階段状の水路」にしました。階段状にしたことで、流れは緩やかになります。また取り入れ口には「石」を敷き詰めました。写真や教科書からこの2つは分かりました。
その過程で「?」になったのが「分水と合流」。資料集に「すみずみまで水を届ける工夫」と書いてあるけど、「???」の表情でした。そこで、普通なら「分水したらそのまま下流まで流すよね」と説明しながら図を描きました。「この水路でうれしい人は?」と質問すると「上流の人」。「困るのは?」ときくと「下流の人」の声。「だって上流の人は水がたくさん使えるけど、下流の人は少ないよね」「流しそうめんを考えればいいんだよ」「最初の人は麺をたくさん取れるけど、最後の人は取れないんだよ」の声。「だから途中で合流してもう一回流しそうめんにするんだね。」「下流の人も文句が出ないよね」
身近な物に置き換えて考える「みんなの発想力」にビックリしました。

これで宝木用水の工夫まで調べ終わりました。が、大切なのはここから。みんなで考えているのは「なぜ20年も反対してきたか?」ということ。「だって、やっとできたんだよ」「宝木用水の秘密を教えたくないんじゃないの?」という声がありました。
しかし、実際は「20年反対したとはいえ、最後には賛成している」のです。次回は、「江曽島の人がどのように説得したのか」について考えていきましょう。