2020年5月の記事一覧
中庭の池
臨時休校も終わりを迎え,6月からは通常登校になります。休校中,平日の毎日戸祭小の自然をお伝えしてきましたが,6月からは不定期になります。しかし,戸祭小の自然の様子をできる限りたくさんお伝えしたいと思います。
5月最後は,池の中にピンク色のスイレン(属名:Nymphaea)が咲き始めたので紹介します。根が水中にあり,葉が水面に浮かんでいます。花は造花をのような整った形です。花が開いたり閉じたりを繰り返すため,睡眠をとるかのような蓮「睡蓮(すいれん)」と呼ばれています。
ハスとは違い,根を食用(蓮根:れんこん)にすることはありません。メダカなど魚と一緒に育てると池の水もきれいに保つことができ,スイレンが育ちやすい環境になります。また,魚をねらって鳥類も飛んできます。陸上だけでなく水辺の環境もある戸祭小の校庭は,自然観察が楽しめる所です。ぜひ,観察をしてみてください。
バタフライガーデン
成虫が蜜を吸うための花や幼虫のエサとなる食草がたくさんあれば,校庭にチョウを呼び寄せることができます。チョウを集めるために植物を植えた庭をバタフライガーデンと言います。小学3年生は理科でチョウについての学習がありますから,実物を見たりふれたりしながら育てる体験をさせてあげたいので,毎年校庭にチョウがいないと困ります。そこで,戸祭小の中庭もバタフライガーデンにしようと整備しています。
たくさんの花はもちろんのこと,ヤマトシジミが食べるカタバミやモンシロチョウのアブラナ科植物,アゲハのかんきつ類の樹木などがあります。カタバミは雑草化していますし,先日紹介したアブラナやムラサキハナナ,3年生の教材園にはコマツナやキャベツ,樹木としてミカンやサンショウを植えています。これからチョウの舞う中庭になると思います。
サンショウ
ミカン
コマツナとキャベツ
ぺんぺん草
雑草でも私たちに親しまれている種類があります。その中の一つである
ナズナ(Capsella bursa-pastoris)は,七草がゆの一つの具として有名です。七草がゆは,正月を過ぎ,ごちそうを食べた胃を休めるため人日の節句である1月7日に食べる習慣になっているようです。同じアブラナ科のタネツケバナ(Cardamine scutata)と間違えやすいですが,ナズナは「ぺんぺん草」と呼ばれるように,三味線のばちに似た実の形に特徴があるので,見分けがつきます。
ナズナ
マメグンバイナズナ
ナズナの実の部分をさくようにしてふって音を出すいう遊びもあり,とても親しみやすい雑草です。似た植物でマメグンバイナズナ(Lepidium virginicum)というのもあります。
ポ・テ・ト
6年生と給食委員会の教材園では,つぼみをもった植物が育っています。使う部分は地上部でなく土の中です。これはジャガイモ(Solanum tuberosum L. )です。名前の由来は,ジャワのジャガトラ(ジャカルタ)から伝わったいもということで,ジャガタラいもがジャガイモと変化したという説があります。
すでに花が咲き,花の後には実がなることがあるのですが,この実は食用にしませ
ん。どんな実になるかは,できたとき見てください。ただ,ジャガイモはナス科の植物なので,大体の想像はできます。
いもとして養分(でんぷん)をたくわえている部分が食用で,馬鈴薯(ばれいしょ)という品種のでんぷんを「片栗粉」として売っています。元々は春先に林の中に咲くカタクリの根からとったでんぷんが片栗粉なのですが,たくさんとるのが大変なため代用しています。ちなみに,ジャガイモのいもは植物体の部分で言うと茎になります。葉の光合成で作られたでんぷんをたくわえて茎が肥大化したものがジャガイモです。
青葉の校庭
木々が葉をたくさん茂らし,すっかり青葉となっています。
3月下旬
まだ開花宣言が出ていない頃 つぼみがついてうっすらと木が赤く見えます。
4月上旬
よく日の当たる暖かい所から開花していきました。
4月上旬
ほぼ満開です。
4月上旬
満開を過ぎ,花びらが散り始めています。風が吹くと一斉に花びらが
舞います。
4月中旬
花びらはすっかり散ってしまいました。赤く残るのはしべを含めた花柄です。
5月上旬
ソメイヨシノは,花の後に葉が出ます。青葉で覆いつくされています。
花びらが散った後 葉がきれいに開いています
ソメイヨシノのさくらんぼ
花の時期には,ウグイスやヒヨドリ,ムクドリなどの鳥類がひっきりなしに飛
んできていました。また葉が生い茂り始めてからは,スズメやカラス,カッコウ
などが飛んで来ています。植物と動物の関係も調べてみましょう。