戸祭小の自然観察

2020年6月の記事一覧

ヤシの木?

 中庭に木のように見えない植物があります。木の幹の部分は毛のようなものでおおわれていて,一番上にうちわの骨組みのような大きな葉がついています。高さは6mを越えるほど高い木です。


 シュロ(Trachycarpus シュロ属)の木です。南国によく植えられるヤシの仲間なので,似た形をしています。皮の部分(樹皮:じゅひ)はネットのようになっていて,はがして排水溝のごみ取りに利用したり,あんでシュロ縄にしたり,ほうきの毛の部分に使ったりします。葉の根元に花が咲きます。

 
 シュロには,ワジュロ(和棕櫚)とトウジュロ(唐棕櫚)があり,2つの雑種をアイジュロ(合棕櫚)というそうです。見分け方は,葉が垂れ下がるのがワジュロ,垂れ下がらないのがトウジュロ,その中間がアイジュロだそうですが,中庭にあるシュロはアイジュロのようです。

ハルジオンとヒメジョオン(似ている植物パート5)

 ハルジオンが咲き終わり,中庭の草が刈り取られました。その後,再びハルジオンそっくりな草が生えてきました。ヒメジョオン(Erigeron annuus)という植物です。

 
 漢字で書くとハルジオンは春紫苑,ヒメジョオンは姫女苑です。両方とも紫苑(シオン)ですが,ヒメシオンという別の植物があり,区別するためあえてジョオンと呼ぶようになったそうです。
 花を見ただけでは区別がつきにくいですが,くきの中や葉の付き方にそれぞれ特徴があるので,見分けてみましょう。ハルジオンは,くきの中が空っぽで葉は茎を包むようにつきます。ヒメジョオンは,くきの中がつまっていて葉はくきを包みこまずにつきます。見分け方は,小学3年の理科の教科書にも載っていますので,見てみましょう。


ハルジオンのくきの内部


ヒメジョオンのくきの内部