地域の様子

 城山中央小学校がある城山地区は,宇都宮市の北西部に位置し,大谷石で有名な「石の里」と呼ばれる大谷地区を中心に発展した地域です。学校の周辺には平和観音や日本最古の磨崖仏,石造りの街並み,古墳や多気城址など見どころがたくさんあります。


 大谷資料館  (宇都宮市大谷町909  028-652-1232

     1000本の大谷石が伐り出された採掘場跡の地下空間。間口150m,奥行き140mで,柱を除くと広い野球場一つが入る大きさがあります。1年を通じて,平均13℃という地下空間は,夏はヒンヤリ,冬は暖かです。現在は,音響のよさを生かしコンサートや演劇の会場,映像の撮影現場としても利用されています。
 また,大谷石採掘に関する歴史と変遷をわかりやすく紹介し,合わせて採掘道具や運搬具などの資料も展示しています。
 


 大谷寺・大谷観音  (宇都宮市大谷町1198  028-652-0128)

 坂東33観音霊場の第19番札所の大谷寺は,半球形状の凝灰岩洞穴内に,観音堂・脇堂をもつ全国でも珍しい洞穴寺院です。大谷寺本尊の「大谷観音(千手観世音立像)」は,日本最古の磨崖仏で,弘仁元年(平安時代初期)弘法大師の作と伝えられています。その他にも計10体の磨崖仏があり,国の特別史跡と重要文化財の二重指定を受けています。
 また,寺宝の他,大谷寺洞穴遺跡から発掘された縄文時代の人骨などを展示した宝物館もあります。
 


 平和観音  (宇都宮市大谷町1174  028-652-4733)

     大谷寺のすぐ近くにある平和観音は,第二次世界大戦による戦没者の霊を弔い,世界平和を祈って昭和23年(1948年)9月から6年余の歳月を費やして岩肌に手彫りで造られました。高さは26.93m(昔の縮尺で88尺8寸8分),胴回りが20m,顔の長さが5m,鼻の長さが1m,足幅1.5mの巨大なものです。
 上からは,大谷の町が一望できます。



 天狗の投げ石  

 平和観音南入口で上を見上げると,崖の上に大きな石があります。これは,戸室山から天狗が投げたという伝説の石です。崖の上に今にも落ちそうなバランスでのっている姿は,まさしく天狗の仕業??  


  大谷景観公園  (宇都宮市大谷町1174  028-652-4733)

     大谷寺より道なりに北へ向かうと「大谷景観公園」があります。切り開かれ,むき出しとなったその岩肌は,大谷石の美しい岩並みを楽しむことができます。また,近くには姿川が流れ,せせらぎの音がとても気持ちよく感じることができます。散策時のちょっとした息抜きにもちょうどよい公園です。
 秋には,フェスタin大谷のメイン会場としても利用されています。
 


  大谷奇岩群

 大谷景観公園から北へ向かうと,大谷石の奇岩群があります。むき出しの岩肌と松とが見事に調和して山水画のような美しさを感じることができます。その美しさは,「陸の松島」とか「関東の耶馬渓」などと形容されることもあります。  


  宇都宮市森林公園  (宇都宮市福岡町1074-1  028-652-3450)

      森林公園は,赤川ダムを中心に食堂・キャンプ場・バーベキュー場・サイクリングロード・トリムコースなどがあり,釣りやハイキングも楽しめるアウトドアスポットです。公園周辺のサイクリングコースは,ワールドカップ・ジャパンカップのコースとして使用されています。    


  渡辺家住宅  (宇都宮市大谷町1110)

     渡辺家は,大谷地区きっての旧家であり,江戸時代後期には渡辺塾を開き,近隣の子弟教育に携わりました。その時使用したと思われる天神机と呼ばれる小さな机等の現存しており,また,学問の神様である天神様(菅原道真を祭った「天満宮」)もその当時に造ったものと思われています。西蔵は237年前の大谷石の蔵であり,大谷地区に現存する最古の大谷石建造物と考えられています。
 


  小野口家住宅  (宇都宮市田野町885)

 小野口家は,江戸時代より名主を務めた旧家で,母屋を囲むように長屋門や蔵など,計6棟の大谷石建築物が建ち並び,宇都宮市近郊における典型的な豪農の屋敷構えを今に伝えています。平成11年,その文化財的価値が認められ,6棟全部が国登録有形文化財として登録されました。大谷建築史の現物見本とも言え,石材を用いたその時代相応の技が巧みに表現されており,デザイン面でも優れたものになっています。  


  多気山(多気城址・多気不動尊)

     多気山(標高377m)は,中腹にある多気不動尊への参拝や,山頂までのハイキングで四季を通じて親しまれています。多気不動尊(多気山持宝院)本尊の不動明王坐像は,高さ1.73mの寄木造りで平安時代後期の作と伝えられ,火よけや商売繁盛にご利益があるそうです。
 また,多気山は,戦国時代の大規模な山城「多気城」があったことでも知られています。多気城は,宇都宮初代城主藤原宗円が康平6年(1063年)に自然の要害多気山を選んで築城したとの伝承など諸説があります。戦国末期に大改修され,まれにみる難攻不落の山城でしたが,慶長2年(1597年)宇都宮氏の没落により廃城となりました。
   


 戸室山

      大谷石で形成された百穴伝説が残る標高228mの山で,不思議な雰囲気が漂っています。頂上に登ると大谷の集落や日光連山を一望することができます。
 山の上には,西暦1051年,陸奥の安倍氏討伐のため源頼義が宇都宮大明神の他に戦勝祈願をするために建てた戸室山神社があります。平和なときは農業の神様であり,特に雨不足のときにお願いすると,雨を降らせてくれるありがたい神様でした。神社の近くに「枯れたことのない泉」があり,雨が欲しいときはそこに酒を注ぎ,手でかき混ぜると,雷雲が発生し決まって雨が降り出したそうです。


   古賀志山  

 古賀志山は,標高583mのゴツゴツとした岩場が多い山です。初心者から上級者まで楽しめるハイキングコースがあり,山頂からは雄大な周辺の山々が一望できます。運がよければ,富士山が見えることもあるそうです。
 また,ロッククライミングやパラグライダーなどのスポットとしても有名で,休日には,空に色鮮やかなパラグライダーがたくさん飛んでいるのを目にすることができます。

 


「大谷石」とは‥‥

 栃木県宇都宮市大谷地区の丘陵地帯や山麓から産出する緑色凝灰岩で,県内外の各地からも産出する緑色凝灰岩の代名詞になっています。2千万年前の火山活動によって生まれ,軽くて加工しやすく耐久性に優れ,また暖かみのある肌合いのため,様々な建物に使われています


◆大谷石を使った主な建造物

 ☆栃木県外では‥‥

   ●旧帝国ホテル(愛知県犬山市)     ●自由学園・明日館(東京都豊島区)  
   ●ヨドコウ迎賓館(兵庫県芦屋市)     ●日本民藝館(東京都目黒区)

 ☆宇都宮市内では‥‥

   ●栃木県庁     ●旧宇都宮商工会議所(旧正面玄関部分を宇都宮中央公園に移築) 
   ●カトリック松が峰教会     ●宇都宮市冒険センター      ●宇都宮市教育センター
   ●旧篠原家住宅         ●小野口家住宅            ●渡辺家住宅

 ☆宇都宮市外では‥‥

   ●鹿沼市文化活動交流館(旧帝国繊維の工場)      ●川上澄生美術館(鹿沼市)
   ●海潮寺山門(真岡市)          ●霧降高原 山のレストラン(日光市)
   ●日光金谷ホテル(日光市)       ●ちょっ蔵広場(高根沢町)

  大谷石は,他にもたくさんの建造物に使われています。