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1人1台端末が可能にする「協働的な学び」
5年生がグループで社会科の調べ学習をしている様子です。かつて社会科のグループ学習と言えば,先生から大きな模造紙や画用紙を配られ,調べたことをペンで書いて,黒板に貼って発表するなどしていました。書き損じをして上から紙を貼ったり,書いている人以外は暇なので,遊んでいて先生に叱られたり・・・。「大変だったなあ。」と思い出される大人の方も多いのではないでしょうか。でも,この子たちはそれぞれのパソコンの画面を見ています。
この子たちは,複数人が同時に編集できるプレゼンテーションソフトを使って,調べたことをスライドにまとめているのです。左端の画像は,1枚のスライドに3人が同時に記入しているところを撮影したものです。白抜きの部分には,実際には記入している子どもの名前が表示されています。教師の方でも,誰が,どんなことを書いているのかを画面上でリアルタイムで確認できるので,必要に応じて声をかけ,指導することができます。
これもかつての話ですが,パソコンを使った学習と言えば,インターネットを使った調べ学習などの個人作業が多く,グループ活動をする際も,操作をするのは基本的に1人でした。1人1台端末もそうした使い方はできますが,これまでのパソコンとの最大の違いは,共同作業のしやすさだと思います。慣れれば4人組のグループが2時間で4~5枚のスライドを作ることができるようになります。「書く作業」に時間をとられず,「書く内容を話し合う」時間に多くを割けるようになることも大きなメリットだと思います。
ただ,気をつけないと,お互いに黙って,黙々と文字を入力するだけの「分業」になりかねません。そこで,「調べながら『こういうことだよね。』『こんな書き方でいいかな。』とお互いに確認するんだよ。」などと声をかけ,共に学習することで学びが深まるように意識付けています。そのため,1人1台の端末で同じ画面を見られるはずなのに,なぜか互いの画面を覗き込みながら話し合うという微笑ましい姿がそこここに見られます。