学校の様子

初午の日

 今日は初午の日です。昔から,2月の初午の日には,稲荷神社にお参りして,その年の豊作を祈る風習があります。栃木県では,郷土食である「しもつかれ」を,わらをたばねて作った「わらづと」に入れて、赤飯といっしょにお供えすることが多かったようです。また,「7軒の家のしもつかれを食べると病気にならない」ともいわれ,近所の人たちと分け合って食べる風習もあります。

 そこで,今日の給食には,郷土の伝統文化を子どもたちに感じてもらうため,赤飯と「しもつかれ」が登場しました。子どもたちの反応を見ようと各教室を回ってみると,苦手とする子もいる中で,「おいしい」「好き」に,元気に手を挙げる子も,かなりいました。今,好きでも,嫌いでも,全国でも珍しいふるさとの料理を,是非,覚えていてほしいと思います。

 ところで,昭和ひと桁生まれの私(副校長)の父は,初午の日になると,学校の先生から,「今日は初午だから馬に気を付けて帰るんだよ。」と言われて学校を出たそうです。当時の馬は,農耕や運搬など,家業を支える家族同然の存在。同じ建物の中で一緒に寝起きをして,寒い夜には背中に布団をかけてあげたりして大切にしたそうです。そして,初午の日には,日頃の苦労をねぎらうために,馬具を外して外に放したのだそうです。下校途中に「放し飼い状態」の馬に遭遇したらと思うと恐ろしい気もしますが,見てみたい気もします。わくわくしながら聞いたことを思い出します。

 大人にとって,自分が子どもの頃の話は,「それほど昔ではない」と思いがちですが,子どもにとっては十分に「昔」です。身近な大人の「昔話」は,とても興味をもって聞くことができます。是非,子どもの頃の話をたくさんしてあげていただきたいと思います。雪の降る夜は,「昔話」をするのにぴったりです。