戸祭小の自然観察

2020年4月の記事一覧

ゲンゲ

 1年生の教材園で珍しい花を見つけました。実はこの花のタネを3年前,教材園にまいておきました。一面にこの花が咲くことを想像していたのですが,ほとんど育ちませんでした。しかし,育った一部の花がタネをこぼして生き残っていたようです。
   
 この花は,別名レンゲ(Astragalus sinicus L.)と言います。みなさんは別名の方が分かりやすかったでしょうか?
 この花の蜜ははちみつとして売られていることもあります。最近では少なくなりましたが,田んぼに水をはる前に一面のレンゲ畑にし,レンゲごと土にすきこみます。そうすることで肥料(緑肥と言います)として役立ちます。レンゲなどのマメ科の植物は特殊な生態で,根に根粒菌(こんりゅうきん)が着きます。その根粒菌が空中の窒素(ちっそ)をため込むことができるのです(空中窒素固定)。植物の育ちに必要な養分は,リンと窒素とカリウムですので,わざわざ窒素肥料をまかなくても植物が育ちやすいのです。