戸祭小の自然観察

2020年4月の記事一覧

もち草

 くさもちに使う草は,地方によって違いがありますが,大体はヨモギ(Artemisia indica Willd. var. maximowiczii )という草本類(そうほんるい)を使います。どこにでも生えていて「雑草化」していますが,食用でも薬用でも利用できる草です。
 まず,草もちの材料として使う場合は,やわらかそうな部分をつんで,重そうで煮込んでさらにやわらかくしたものをもちに混ぜ込みます。葉の緑色の発色がよく,香りもよいので春を味わうのにとても良いです。先人の知恵を感じます。
 薬用としては,漢方薬で「がい葉」という名前で使われています。血止めや痛み止め,げり止めとしての効果があるそうです。
 また,葉を乾燥させてくだくと,葉の裏側に生えていた細かい毛が綿のように集まります。それを「もぐさ」と言い,お灸(きゅう)として使われるそうです。
 そのほかに,海や川にもぐるときに使う水中めがねのガラス面に葉をこすりつけると,くもらないという効果もあるそうです。身近な有用植物です。