戸祭小の自然観察

王者の印

 西門の所にたくさん黄色い花をつけた樹木(じゅもく)があります。葉は一年中緑色をしています。そのような樹木の仲間を常緑樹(じょうりょくじゅ)と言います。常緑樹以外の物は,紅葉したり葉を落とすので落葉樹(らくようじゅ)という仲間になります。
 さて,この常緑樹はギリシャ神話のアポロンの木とされていて,昔から競技の勝利者にはこの樹木の葉で作られた冠(かんむり)がかぶせられます。マラソン大会などで優勝者が頭につけてインタビューを受ける姿を見たことがあるかもしれません。ゲッケイジュ(Laurus nobilis)という樹木です。ツバキやキンモクセイのように,葉が寒さにも耐えられるよう厚手になっていて照葉樹という仲間分けもされます。
      
 ゲッケイジュの葉は,乾燥させるとよい香りがするため料理の香辛料に使われます。ローリエ(ローレル)と呼ばれて売られています。
          
 雄花が咲く樹木と雌花が咲く樹木があり,両方の樹木がないと受粉できないため,なかなか実を見る機会が少ないです。戸祭小は雄花が咲く木です。
    
 また,幹(樹木の根元から出ている太い部分)の表面(樹皮:「じゅひ」と言います)はざらざらしています。樹皮の特徴(とくちょう)で樹木を調べることもできます。樹皮に紙を当てて,鉛筆やクレヨンなどでこすってみると模様が写しとれるフロッタージュを使って記録するのもよいです。