戸祭小の自然観察

なのはな

 春になると鮮やかな黄色い花が広がっている畑があります。その植物は「なのはな」と呼ばれています。
 実は「なのはな」というのは,「菜っ葉の花」という意味で,大体はアブラナの花のことを指します。アブラナ科の花は「なのはな」と言われます。下の花の写真を見てください。花びら(花弁)が4枚あり,足し算の「+」のような形にならんでいますので,十字花とも呼ばれます。花のつくりが単純で,花のしくみを知る学習でよく使われます。
 
    アブラナ(Brassica rapa L. var. nippo-oleifera)
 
    オオアラセイトウ(Orychophragmus violaceus)
※ムラサキハナナ,ショカツサイ,ハナダイコンとも呼ばれる。

 アブラナは青木先生が,オオアラセイトウは野澤先生が自宅から持って来てくださり,中庭の教材園に植えてあります。来年はこぼれダネで自生するとよいと考えています。

 花のつくりを観察してみましょう。小学5年理科でも学習しますので,参考にしてください。野澤先生がピンセットで花を分解してくれました。
                       
   アブラナ(写真上側)とオオアラセイトウ(写真下側)の花の分解
   写真左はしから,花びら(花弁)4枚,がく(がく片)4枚,おしべ6本,めしべ1本,
  それぞれの花粉プレパラート,花
 
 さらにミクロの世界から花粉を見てみましょう。おしべの先の突起(葯:やく)の中に黄色い花粉が入っています。一粒一粒の形は,小学校にある光学けんびきょうででも観察できます。下の写真が学校のけんびきょうで花粉を拡大し,デジタルカメラで撮影したものです。
   
     アブラナの花粉(15×40)     オオアラセイトウの花粉(15×40)
 似た形の花粉ですね。この花粉がめしべの先に着く(受粉する)と実ができ,中にタネができます。

 アブラナの若い葉やくきはおひたしなどで食べられますし,セイヨウアブラナ(Brassica napus)のタネは菜種油(なたねあぶら,サラダ油)として活用されます。アブラナだけでなく,同じような花のつくりの植物は,全てアブラナ科です。よく花をかんさつして見つけてみましょう。