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日々の授業から①
夏休み明けに撮り集めた授業の様子を、少しずつご紹介します。
1年生の図画工作です。図画工作・美術は私の専門なので、少し解説を入れます。
液体粘土(紙粘土を水を混ぜてドロドロにした感じのもの)に絵の具を混ぜ、手で自由に描いていきます。何か作品を作る、というより、1年生ですので、色の混ざり方の面白さ、偶然できる形の面白さから、何かを描いてみよう、という体験をするという感じです。
美術教育の世界で、ルース・ショウという教育者が言ったこんな言葉があります。
「指は筆より前からあった」
なるほど、ですね。
最初の写真の絵を描いている子の様子を追ってみます。
最初はきれいに虹のような感じで塗っていましたが、ぐるぐると混ぜ始めます。当然色は濁ります。
この時は何かを描こうとしているのではなく、ちょっと特殊な絵の具の感触を楽しんだり、絵の具が混ざっていく様子を楽しんでいるように見えます。
さらに混ぜていくと、指を立てて混ぜたときに最初に塗って乾いた絵の具が姿を現しました。混ざっていないので鮮やかに見えていることに気が付きます。
そして次は大胆に水色を置きました。すぐには混ぜずにこの状態を観察しています。
濁った色の中にある鮮やかな色が美しく見えることについて、自分ではうまく説明はできないですが、気付いているのでしょう。
このように、できた作品からだけではなく、子供がいろいろ感じ取ったり考えたりしながら製作していく過程から、どのように表現していったのかを見ていくことも、図画工作では大切なこととなります。
また、最後の指で点々を描いている子は、全体はこんな感じです。
聞いてみると、波を表現しているようです。点々が波しぶきに見えるね、と言うと嬉しそうにさらに点々を描き加えました。
手の平や指をこすりつけながら大胆に波を表現しましたが、水しぶきは指先で繊細に点々を描きました。
その対比が面白い作品です。この作品は、もし途中を見ていなくても、子供の描いている様子が想像できる作品だと思います。
「表したいものを表したいように表す」
先生の表したいもの、ではなく、子供の、です。これも図画工作の基本です。
(文責:校長)
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