学校行事

学校 令和6年度入学式 校長式辞

 式辞(新入生および保護者の皆様へ)

 校庭の桜の花が咲きそろった本日、多くの保護者の皆様とともに、令和6年度入学式を挙行できますこと、大変うれしく思っています。198名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。先ほど、一人一人が担任の先生から名前を呼ばれ、少し緊張しながらも立派な態度で返事をする様子を見て、とても感心しました。皆さんは、今日から全員が豊郷中学校の生徒です。豊郷中学校は、豊かな自然に恵まれ、今年で創立78年となる長い歴史と輝かしい伝統のある素晴らしい中学校です。本校のスローガンである「笑顔と感動のあふれる学校」を作るのは生徒一人一人であり、皆さんも先生方と力を合わせて頑張ってほしいと思っています。さて、今日から皆さんは中学生として新たな道を歩み始めます。式辞として2つのことをお話しします。

 1つ目は、「学校は学ぶところ」ということです。中学校生活のすべてに一生懸命に取り組んで、3年間しっかり学んでほしいと思っています。各教科などの授業はもとより、登校してから下校するまで、学校でのすべての活動が皆さんの学びの場です。それらの活動の中には、自分が苦手だと感じるものもあると思います。それは、誰しも同じです。人と比較するのではなく、自分自身の力を伸ばしていくことが大切です。そして、学校での学びは、集団を通して行われています。級友や上級生と協力して、学級や部活動など集団生活をより良いものにすることで、学力、健康・体力、そして豊かな人間性や社会性などの学びが、より一層充実したものになることを忘れないでください。

 2つ目は、「精神的な自立をする」ということです。これからは、自分の考えをしっかりと持ち、自分の力で生きていけるようになっていくことが重要です。小学生までの幼い心を克服し、自分のことは自分で責任を持って行い、わがままな感情や甘えたい気持ちを我慢し、正しい行動ができるようになってください。皆さんが、将来への夢や希望を持ち、その実現を目指して、強い心で自立した生き方ができることを期待しています。

 そして最後にもう一つお願いがあります。一人一人の尊い命は世界に1つだけ、かけがえのないないものです。交通事故は自分だけでなく、周りの人を大きな悲しみに陥れます。ですからここで約束してください。自分の命は自分自身で守るためにも、交通ルールやマナーを必ず守ることを。

 

 保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。義務教育の最終段階である中学校3年間は、身体も心も大きく成長する、とても密度の濃い時間です。1年は365日、時間にすると8760時間、お子様たちが学校で過ごす時間はそのうちの約20%と言われています。残りの約80%は家庭や地域で過ごす時間です。そのため、お子様たちがしっかり育つためには、家庭や地域と学校がより良い連携を取り、そして保護者の皆さま同士も協力関係を深めることが大切であると思っています。

 また、この数年間はコロナ禍を始めとして、社会では大きな変化、変革が起きました。私たちや保護者の皆様が過ごした中学校とは、学習内容も、教育の仕組みも、受験の方法も、進路先等も多様化し、昔の経験と大きく異なることがたくさんあります。そして一昨年から18歳が成人となりました。このように予測不可能で変化の激しい時代ですが、私たち教職員一同は、たくましく生きるお子様たちを、立派な大人に育てる大仕事に心を込めて取り組ませていただきます。本校の教育へのご理解とご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 結びになりますが、新入生の皆さんが、様々な困難に負けず、明るく有意義で充実した中学校生活を送り、心身共に成長していくことを期待し、式辞といたします。

 令和6年4月9日 宇都宮市立豊郷中学校長  中村 孝之