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2学期後半のスタートです
冬休み明けの朝会
松の内も昨日の7日までと気持ちを切り替えて,寒く引き締まった新春の空気の中を,白い息を吐きながらみんな元気に登校してきました。
「1年の計は元旦にあり」ですので,なかよしタイム(2校時目の休み時間)に,体育館で朝会をしました。集会委員会の児童の先導により,全校児童の元気で大きなあいさつが響き渡ります。みんなとても元気です。
全校児童には,こんな話をしました。
「最近,みんなの間では,何かうまくいかない時とか予想どおりにならない時って,それは全て妖怪のせいなんだって?・・・子どもたちは笑いながらうなずいています。たとえば,朝寒くて布団から出られないのは,妖怪「布団もぐり」とか,起きたとしてもすぐにコタツに入ってしまうのは,妖怪「こたつこいこい」とか,お家の人の言われてもなかなかできないのは,妖怪「いまやる」っていうのがいるそうだね?と聞くと,新しい妖怪の名前にみんな大はしゃぎです。
でも,そういう妖怪はどこに住んでいるのかなと考えてみると,それは私たちの心の中に住んでいますね。でもそんな妖怪に操られているのは嫌だね。
やっつけたいですよね。でもね,それをやっつけられるのは先生でも,おまわりさんでも,お家の人ではなく,それが住んでいる君たち自身なんですよ。じゃあそういう妖怪をみんなで退治するために,これから平成27年の「めあて」を立て,規則正しい生活をしていこうね!」
と話をしたら,大きな6年生もフムフムとうなずいてくれました。
古来,日本人は身の回りで何か不吉なこと,説明できないことが起きると,それは妖怪の仕業だとしてきました。怪我をすれば「かまいたち」,暗い夜道を歩くと「ぶるぶる」,川で溺れると「河童」が悪さをしたのだと言われました。
民俗学者の小松和彦先生は
「私たちは,何の説明も出来ない事象の中に放り出されたら生きてはいけません。文化を持っている以上,考えて,そして説明したがる。だから現代から見たら,何の説明にもなっていないと思われるかもしれませんが,説明出来ない不思議な現象なり、起きてしまった悲しい事態を、狐や狸、河童や天狗のせいだと説明することによって,宙づりにされた心を落ち着かせ,その事態を諦められるという面があったのだと思います。」 とおっしゃってます。
しかし今の妖怪ブームでは,自己の努力が不足していたり,素直になれない言動や行動をとってしまうことを,妖怪という第三者に責任転嫁しています。ここが従来の妖怪との関係と異なる点です。私たちが理解できない自然現象を説明する異界の存在ではなく,いわゆる子どもたちの心の中に潜んでいる影のようなもの,すなわち「本当はやればできること」「実際はだめ,いけないこと」というのを分かっていながら,新たな妖怪を登場させて,仮想の世界で楽しんでいる,いわば「あるあるネタ」の共感的な笑いなのだと思います。
そうだとすれば,「妖怪のせい?」で子どもたちがうまく事を運べないとき,ひとつの方法として,大人としては子どもを注意するのではなく,取り憑いている妖怪の方を注意してみるというのも良いかもしれません。注意される子どもも嫌でしょうが,注意する大人もエネルギーを使い嫌なものです。そんな時,こみ上げるモヤモヤ感をひとまず飲み込んで,「あれぇ~ あなたの頭の上にはわすれん帽がいるわよぉ~」とか,「ふうむ・・・どうやら,ひとまか仙人に取り憑かれてしまったようだね」などの話かけを指導のきっかけにすれば,大人としても冷静に対応できるのではないでしょうか?
世間のブームに迎合するわけではないのですが,現在の子どもの文化にも多少アンテナを広げておくという意識も必要だと思います。
次に学習指導主任から,お話がありました。
学習の心構えとして,テストや授業でやった問題を間違えたままにしないということです。間違え直しを必ず行い,自分から「なるほど」「分かった!」と思うことはとても大切です。学力を広い意味でとらえると,「自ら学び自ら考える」力などの「生きる力」の育成ということになります。つまづいたところを自分で認識して,自分のものにするということは,ただ単に勉強ができるようにするということではなく,自主性を育むということです。指示待ちでなく,自主的に問題を解決していく力は,社会に出てからも「生きる力」として,重要な要素の一つだと思います。
最後に養護教諭からインフルエンザの予防についてお話がありました。
宇都宮市内でインフルエンザが流行しており,注意報が発令されました。
そこで ①うがい,手洗いを忘れず,しっかりと時間をかけて行う。
②睡眠・栄養をしっかりとって,丈夫な体をつくる。
③人混みをなるべくさけ,マスク等の予防に心がける。
という3点を確認しました。
今年度も,残りあと2か月となりました。まとめの時期です。健康で明るい学校生活を過ごしていきましょう。