活動の様子(H26)

料理クラブでラーメンをつくりました

地産地消 鮎ラーメンを作って食べました♥

 江戸時代の書物に,『奥州道中宿村大概帳(おうしゅうどうちゅう しゅくそん だいがいちょう)』というものがあります。この書物は,天保14年(1843年)に江戸幕府が,各宿場のことを調べたもので,各宿場の人口や戸数,本陣,旅籠の数,道路の広さや橋,寺社,地域の産業,特産品など,宿場の様子が詳しく書かれており,道中奉行所が使用したものと考えられています。
 それには,「白沢宿は家数71軒,うち本陣1軒,脇本陣1軒,旅籠13軒,人口369人である。白沢宿本陣は宇加地家,脇本陣は福田家が拝命していた。白沢宿の名物として鬼怒川の鮎と白沢の牛蒡(ごぼう)である。」と書かれています。
 白沢小の子どもたちは,総合的な学習や社会で,昔の白沢の様子を学習しています。食育の観点からも,昔の白沢の名物を知ってもらえればと常々思っていました。そんな話をしていましたら,昔からのお付き合いで栃木の地産地消を追及している宇都宮市内のラーメン屋さん「らぁめん厨房 どる屋」のご主人 落合泰知さんから,そういうことなら,ぜひ白沢小学校で鮎ラーメンを食べさせたいというお話をいただきました。
 江戸時代,鬼怒の清流に育まれた名物の鮎を食べて感動した,旅人の気持ちを,今の子どもたちが大好きなラーメンで味わえることができることになったわけです。そもそも鮎のラーメンなんて,皆さんも食べたことがないと思いますが,落合さんは栃木の様々な食材を使って,おいしいラーメンを作っています。
 そんな願いが通じて,料理クラブに来てくださいました。

 とちぎの食材でラーメンをつくろう
 今日の料理に使う鮎です。今年の鮎の季節はもう終わりです。
 
 45分間で鮎のスープをつくることはできないので,実はお昼前から家庭科室に来ていただき,準備を進めていただいていました。歴史の話,そして鮎の話をした後,今日の調理法の説明をします。
  
 「まず,皆さんには,鮎をさばいてもらいます。その後,フライパンで軽く火を通してから,スープを
作っている寸胴鍋に入れてもらいます」 ふむふむ・・・
 みんな真剣に聞いています。    ちなみに黒板に貼ってあるのは,珍しい「鮎のぼり」です。おもしろいですね!
 
 では,鮎のさばき方の実演です。はさみを使って頭を切り落とし,そこから腹にかけてはさみを入れ,内臓を指で取り出します。
 みんなできる・・・? 見ている私の方が心配になってきました。
  
 さあ,みなさん,では始めましょう! さあ,どうぞ!!
 えっ! あぁ すごい。 手際がいいです!
  
 ためらいがほとんどありません。 みんな,やったことあるの??
  

 落合さんも以前に何校かこのような指導をしたことがあるそうですが,手際が良くておどろいたとのことでした。そして普通「気持ち悪い・・・」なんていう言葉が必ず出るそうですが,そういう言葉がなかったことは,素晴らしいとおっしゃってました。
 魚をさばいてみて,どうですか?と聞いたら,「普段のお母さんの苦労が分かりました。」という発言。   感心しました。

 
 次にフライパンで焼いてから,スープに入れます。
  
  ここをこうして・・・
 次に持参したマイどんぶりにスープを注ぎます。うわー でっかい鍋!
  
 麺を振りザルに入れてゆでて,さっさっをお湯を切り,そうっとどんぶりへ。
  
 麺をどんぶりに入れたらスープをなじませ,麺を整え・・・
                              
  最後に具を乗せて・・・
  
 ジャ~ン!! 完成です。美味そう・・・
 
 さあ,麺が伸びてしまいますので,できた人から召し上がれ!
 味はどうですか?
  
  

 魚の味,だめかも?という人がいたようですが,大丈夫だったというか,美味しくみんな完食しました。 中には,お代わりをした人も。
 持久走大会の後だから,さらにおいしく食べられたようです。

 最後は,後片付けです。最後までしっかりとやりましょう。

  

 ちょっと型破りな料理クラブの活動だったと思いますが,プロの料理人から直接教われる機会は,貴重な体験だったのではないでしょうか。そして昔の白沢の名物をこういう形で知ることができたのも面白
かったのではないかと思います。
 「歌は世につれ,世は歌につれ」という言葉がありますが,名物であるよい食材は世に連れてずっと
残っていくものです。よい伝統文化を継承しながら,新たな世界を切り拓いていってほしいものです。


 落合さん,そして関係者の皆様方,本日は白沢小学校の子どもたちのためにお忙しい中,おいで
いただき誠にありがとうございました。
 また機会がありましたら,よろしくお願い申しあげます。