活動の様子(H26)

おにぎりの日

みんなのおにぎり,おいしそう!

 食育という言葉が広く聞かれるようになって久しいのですが,皆さんはいつ頃からこの言葉を聞くようになりましたか?
 

 私は,自分が小学校から中学校にかけての昭和40~50年代には,先生や周囲の大人から聞いた
記憶はありません。昭和一桁生まれの父母も,戦前には聞いたことはないと言っています。
 

 文献で調べてみると,実は明治時代の書物の中に登場しているようです。内容は食物についての
知識を深め,良い食物を与えることによって,子どもの心身を育む重要性を説いています。国民全て
の栄養状態が現在ほどの水準ではない時代,また日清戦争が終わり,日露戦争を控えた富国強兵
の時代,子どもの滋養には国家の行く末がかかっていたのだと思います。
 しかしこの知育・徳育・体育を支える基盤としての「食育」という言葉は,一般には定着しなかったよう
です。それは,国立国会図書館で所蔵する大正から昭和期出版の国語辞典28点に「食育」という文字や記載がなかったと,国立国会図書館発行の「調査と情報」 第457号(2004.10.29)に記述されて
います。
 

 私が初めて「食育」という言葉を耳にしたのは,教職に就いた数年後の昭和58年頃と記憶しています。先輩の教員が,「食育は,知・徳・体の基本を支えるものであり,これは古く戦前からある考え方
なのだ」と教えてくださいました。
 

 文献によると1980年代(昭和50年代中頃)に入ると,食に関心のある人々や関係者が,この言葉を使用することが増え,平成5年に当時厚生省の監修で「食育時代の食を考える」という書物が出版されたそうです。(前出の「調査と情報 475号」より)
 そして平成12~13年にかけてのBSE(狂牛病)問題を契機に,食品安全にも関連する政府の課題として位置付けられ,平成17年に食育基本法が制定されました。
 

 子どもたちをはじめ,すべての国民が心身の健康を確保し,生涯にわたって生き生きと暮らすことが
できるようにするためには,何よりも「食」が重要です。
ところが近年,国民の食生活をめぐる環境が大きく変化し,その影響が顕在化しています。例えば、
栄養の偏り,不規則な食事,肥満や生活習慣病の増加,食の海外への依存,伝統的な食文化の
危機,食の安全等,様々な問題が生じています。
 このような問題を解決するキーワードが「食育」です。食育基本法では,「食育を,生きる上での基本
であって,知育,徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けるとともに,様々な経験を通じて「食」
に関する知識と「食」を選択する力を習得し,健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育
を推進することが求められている」
としています。(内閣府のHPより転載)


 本市でも,子どもたちが生涯にわたり,心身共に健康な生活を送ることができるよう,学校・家庭・
地域・企業が連携した食育を推進しています。その一環として,学校での食育に加え,食事について
親子で共に考える機会として,学校と家庭が一体となって取り組む「お弁当の日」を平成20年度から
宇都宮市立の全小・中学校で実施しています。「お弁当の日」の実施を通して,子どもたちの食への
関心を高めるとともに,感謝の心を育んでいきたいと考えております。
                                  

(宇都宮市のHPより)
 そのようなことで今回のおにぎりの日は,古里地域学校園(古里中・岡本北小・白沢小)で共通して,11月28日(金)のお弁当の日に先立ち,周知と練習のため,実施しました。
 当日の朝,登校後に自分の机の上に,おにぎりが乗っている子が多いとのこと。自分で握ってきたり,
お家の人と計画して作ってきたので,うれしくて担任に見せたいのだそうです。なので,この日の給食
は,いつもにも増して待ち遠しい様子でした。
 
 
   
 みんなでたいへんおいしく,そしてたいへん楽しくいただきました。
 次回のお弁当の日(11月28日 金曜日)も楽しみですね。
 ご家庭でのご協力,ありがとうございました。