児童の活動(平成25年度)

救急蘇生法研修

  プール指導も本格的なシーズンとなりました。あってはならないことですが,万が一の事態に備え,
今年も宇都宮市消防署河内分署の方々をお招きし,子どもたちが下校した放課後,図書室で研修を
行ないました。「だいじょうぶだろう」,「そんなことは起きないはず」という意識とつい持ちがちになりますが,こういったことを排除する意味で,毎年,繰り返し行うことが重要です。

 
 まず,救急隊員の方の模範を見せていただきます。乳首を結んだ中間点付近を両手を添え上半身の重みを加えて,胸郭が5cmくらい沈む様,リズミカルに圧迫します。リズムは1分間に100回程度の
速さで行います。
 
 それでは全員でやってみましょう。 
  
  

 これを救急隊が到着する7~8分間,休むことなくずっと行い続けます。思ったより疲れる動作です
ので,何人か交代して行うことが重要です。
 心臓が止まって,脳への血流が3分間停止すると,脳の機能は正常には回復しません。心臓が止まっている間,胸骨圧迫(心臓マッサージ)で酸素を脳や臓器に送り続けることは,脳に障害を残さないようにするため、心臓が再び動き出すまで重要な措置です。 
 

  次にAED(自動体外式除細動器)の使い方です。

 

  心臓マッサージは続けたまま,AEDを付けることが重要です。機械が自動的にやり方を話してくれますので,それに従って操作します。

 

 サッカーファンの方々なら,まだ記憶が新しいと思いますが,平成23年8月4日,松本山雅FCの松田直樹選手が、練習中に急に倒れ、34歳の若さでそのまま帰らぬ人となりました。Jリーグが開幕した
年に、横浜マリノスに入り、横浜Fマリノスではキャプテンも務め、「ミスターマリノス」とサポーターたちに愛されてきた選手でした。練習場所だった公園にAEDが設置されていなかったことは、大きな課題を
残しました。
 
 
 心臓突然死が起るのは成人だけではありません。特に子どもに多いのが心臓震盪(しんぞうしんとう)です。心臓震盪は、30歳までに多く、特に胸壁のやわらかい子どもに起こりやすい症状です。
 胸部に衝撃が加わった時に、心臓のリズムが崩れ、心臓の痙攣、つまり「心室細動」が起きます。心臓震盪は外傷が無くても、軽く当たっても起ります。ただ当たった勢いやショックで倒れたように見えるかもしれませんが、非常に危険な状態なのです。
 野球やソフトボールの球が胸にあたった時の事故例がほとんどですが、空手の正拳突き、サッカーやバスケットボールを胸で受けた時、子供同士のふざけあいなどでも起こった事例があります。
 

 
 そんなとき,私たちは冷静に事態を見極め,一刻も早く処置をすることが重要です。万が一の事態は,学校ばかりでなく,地域や出先などでも起こりえます。このような訓練によって,いざという時にはすぐに対処できるよう心掛けています。

ちなみに,本校のAEDはどこにあるか,ご存じですか?
正解はこちら⇒ AED