【問題】 毎日,何気なく使っている水道水。ねだんや味は,お店で売っているお水とどうちがうのでしょう。
それじゃあ,学校の「水道水」と,お店で買ってきた「国産の水」と「外国産の水」を飲みくらべてみようよ!
買った水は,2リットル入りのペットボトルで,1本100円くらいだったよ。
ゴクゴクゴク… う~ん? 目を閉じて飲むと,どれも同じくらいにおいしく感じるわ…
水道水って,2リットルで計算すると,ねだんはいくらくらいになるのかしら?
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどのお店で売られている「ミネラルウォーター」
(国産の水・外国産の水)のねだんはさまざまですが,だいたい2リットル入りで1本あたり100円くらいです。
ジュースやお茶よりも安いかもしれませんが,実は,水道水はもっと安いのです。
水道・下水道の使用量と料金は,毎月,みなさんの家にもお知らせされていると思います。それを
見るとわかりますが,水道水は2リットルあたり1円もかかっていません。水道水は,「安くておいしい」という
ことがわかりますね。
【問題】 わたしたちは毎日,どんな場面でどのくらいの水道水を使っているのでしょう。
水道は,学校や公園にもあるし,とても身近に感じるよね。
何となく使っているからかもしれないけれど,うがい手洗いをする時とかに「今,どの
くらい使ったかな」とか,考えたことないや…
わたしも,どのくらいの水道水を何に使っているかって聞かれてもわからないな。
お風呂とかトイレとか,たくさん水を使っていそうだよね。
ひとりあたり約320リットルって,とても多いような気がするけれど…
ぼくたちの毎日の生活には,水道水は欠かせないものだものね。水道のじゃぐちをひねれば,
必要な時にいつでも水がでてくるし…
ひとり分の量はわかったけれど,それじゃあ,宇都宮市全体だとどのくらいの 量の水を使っているのかしら?
え~っと,1億6千2百リットル…こんなにたくさん!?
学校のプール540個分の水だなんて,思っていたよりずっと多いよ! こんなに
たくさんの水道水は,どうやって用意されているのかな?
そうよね。毎日こんなにたくさんの水を,宇都宮市だけで使っているんだもの。
水道水って,足りなくなったりしないのかしら…
なるほどな~ そういえば,ぼくの学校にも,「水は大切に」とか「水道の水をを
出しっぱなしにしないように」ってポスターがあったよ。
これから先,このグラフはどうやって変化していくのかな?
水道水はいつも身近にあるけれど,知らないこともたくさんあるね。
水道やそのしくみについて,もっと調べてみようよ!
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【学習】 じょう水場を調べて,水道水ができるしくみを知ろう!
【問題】 水道の水はどのようにしてつくられているのでしょう。
外で遊んだ後の手あらいうがい……それから,お風呂やお料理にも水道水を使っているわ。
水道から出てくるきれいでおいしい水は,「じょう水場」でつくられているんだって!
すごいな~~! 水道の水ってどこからくるのか考えたこともなかったけど,
こうやって,川の水がきれいにされて,飲めるようになるんだね。
水をきれいにするために,たくさんのくふうがされていることがわかったよ!
そうですね。たくさんの人がいろいろな場所で安心してつかえる水をつくることは, かんたんなことではありません。水道水のもとになる川にゴミをすてたりしないことが, みなさんにできるすてきなお手伝いかもしれませんね。
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【学習】 水道水がとどけられるしくみを調べて,宇都宮市では,どんな水が水道水になっているのかを考えよう!
【問題】 宇都宮市の人々の使う水道の水は,どこからどのようにとどけられているのでしょう。
川の水がじょう水場できれいにされ,水道水になることが学習①でわかりました。
下の図は,水道水がみなさんの所へとどくまでをあらわしたものです。水がいろいろな
しせつを通っていることがわかりますね。
図をたどると……川の水が取水場から取り込まれて,じょう水場できれいにされて,
配水場で行き先が決まって,それぞれの場所にとどけられて…
水道水をつくるって大変だ!
そうね。水は,他の市や町のいろいろなしせつを通ってわたしたちの所に来ているのね。
でも…なぜ,宇都宮市の中にじょう水場をつくらないのかしら?
取水場が上河内地域の高間木にあるのは,宇都宮市の中心部より高い場所で,広い土地があって,
鬼怒川のきれいな水を取り入れやすいからなんだね。
高い所から低い所へ流れていく,水のせいしつをうまく利用しているってことだね!
そうですね。むだなく安全に水をきれいにできるよう,考えられているわけです。
私たちが家庭や学校で必要な水をいつでも使えるのは,こうして上河内地域のように,
いろいろな地域や市や町の人々が協力しあって,計画的に作られ,送られてくるからなのです。
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【学習】 水道を守る人たちについて調べて,水が安全にとどくしくみを知ろう!
【問題】 安心して水道が使えるように,どんな努力がされているのでしょう。
水道を守るお仕事ってとっても大変そう…
どんなお仕事やくふうがあるのか,実際に働いている人たちへインタビューをしてきたよ!
松田新田じょう水場では,主に鬼怒川(きぬがわ)から水を取り入れ, みなさんが安心して飲めるおいしい水に 作り変えたり,水道水の安全性を毎日検査をしています。 じょう水場が止まってしまったら,水道水が足りなくなってしまうかもしれません。 そうならないためにも,じょう水場では24時間休みなく水道水をつくり続けており, 多くの人が,昼夜交代しながら働いています。
宇都宮市上下水道局には,みなさんがいつでも安心して水道水を使えるよう,
①水を作る ②水を送る(とどける) ③使った水をきれいにする という
役わりがあります。水道管を新しいものへ取りかえたり,管に水もれがないかを検査したり
するのも大切な仕事です。
たくさんのしせつを管理しており,松田新田じょう水場や
川田水再生センターなどもふくまれます。
配水管理センターは,宇都宮市上下水道局の中にあります。
どんな時でも,安全安心な水道水をみなさんに送りとどけられるよう,
じょう水場から各家庭へ流れる水の量を24時間監視(かんし)し,調整しています。
雨があまりふらず,ダムの水がへって,川の水も少ない水不足の時など,
水道水が市内へまんべんなく行きわたるようにふり分けます。
水道管の工事やろう水検査は夜にやることが多いそうだけど, 目立たないところで大切な仕事をするってカッコイイな~! 水道を守ってくれている人たちの おかげで,ぼくらは毎日,おいしい水が飲めているんだね。
そうだね。水道水は気軽に飲んだり使ったりできるけど,こんなにたくさんの
人の努力で作られ,守られていたんだね。ムダづかいはしないで,もっと大切に使わなきゃ…
今日から,水を出しっぱなしにはぜったいにしないぞ!
その心がけはとても大切ですね。わたしたちのために,休みなく水道水を作って くださっている人がいることを忘れずに,水道水を利用していきたいですね。
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【学習】 水道の始まりとこれからの計画を知ろう!
【問題】 宇都宮市では,水道をこれからどのようにしていく計画をしているのでしょう。
昔,水道がなかったころは,いど水を使っていたって、おばあちゃんが言っていたよ。
いど水はおいしかったけど,自然のものだったから,
雨がふらない時には足りなくなったり,大雨がふった時には川のどろがまざったりして,
大変なこともたくさんあったみたい。
わたし,おじいちゃんの家で,昔のいどから水をくんだことがあるの。
いど水をくむのは力がいるから,子どもひとりじゃむずかしかったし,
じょう水場の水みたいに「ろか」や「消毒」がされていないことも
ちょっと心配になっちゃった……
今から100年ほど前,宇都宮市内にはまだ水道がなく,人びとはいど水を使っていました。
宇都宮は池や沼が多く,地下水も豊富でしたが,いど水は伝せん病なども広がりやすかった
ために不安に思う人も多く,1988年ころから水道を希望する声が起こりました。
大正時代,1913年に大谷川(だいやがわ)の水を利用する今市じょう水場を建てはじめ,
1916年3月1日に初めて,宇都宮市内に水道の水がとどけられました。
そして2016年,水道が使われるようになって
100周年をむかえました。水道は,着実に市内に広まり続けています。
1878年 (明治11年) 1913年 (大正2年) 1916年 (大正5年) 1945年 (昭和20年) 1955年 1960年 1966年 1969年 1974年 1978年 (昭和53年) 1984年 1994年 現在 これから |
◆いど水を使っていたため,天気によって水が不足したり,
伝せん病が広がりやすかったりした。 ◆このころ,水道を作ろうという動きが起きる。 ◆水道をひく工事がはじまる。 ◆水道完成。宇都宮市内へ初めて水道の水が送られる。 ◆せんそうの空しゅうにより,水道も大きくひがいを受ける。 ◆宝井から水道をひく工事の開始。 ◆宝井から水道をひく工事の完成。 ◆白沢から水道をひく工事の開始。 ◆白沢から水道をひく工事の完成。 ◆川治ダムを水源とする水道工事の開始。 ◆松田新田じょう水場の完成。 ◆湯西川ダムと鬼怒川水道用水きょうきゅう事業を水源とする工事の開始。 ◆すべての宇都宮市民が水道を使えるようにする計画の開始。 ◆古くなったせつびや水道管の交かんを行っている。 ◆これからも水道はどんどん便利になっていく予定です。 |
▲ 宇都宮市の水道の広がりと歩み
宇都宮市は,1955年までの市町村合ぺいによって面積が広くなり,人口も増えました。
それにより,水道水の使用量も増えたため,山本じょう水場(現在では配水管理センターとなった)
や白沢じょう水場をつくり,1978年に松田新田じょう水場が完成しました。そうして,市内の
人びとが必要な量の水を送ることができるようになりました。
また,その後にも板戸配水場などがつくられたり,合併により今里や謡辻(うどうつじ)の
じょう水場が宇都宮市のしせつになったりしました。このようにして現在では,
市の水道の普及率は98%をこえるようになりました。
宇都宮市では,安全でおいしい水を市のすべての人へ送ること,
地震などのさい害に強い水道しせつづくりを目指し,
1994年から「27年計画」を進めています。また,将来の市の人口や水の使用量の
予測を立てるなど,そうした計画の見直しも積極的に行っています。
このように,市では計画を立てて水を作り,守っていますが,水は限りある資源です。
みなさんには,水をむだづかいせず,これからも大切に使ってほしいですね。
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【学習】 水のふるさとを調べ,限りある水を大切に使う方法を考えよう!
【問題】 水道水のもとになる川の水はどこから来るのでしょう。
う~ん…ここは,森の中にある湖かな? 何だかとても,広くて深そうだね。
あら? よく見ると,右のあたりに建物が見えるね。
何だろう?
わたし,本で読んだことがある。もしかして,ここは「ダム」じゃないかしら!
たしか,雨や川の水をためておく場所だった気がするわ。川の上の方にあるって
書いてあった気がするけど…
写真じゃなくて,本物を見てみたいなあ。どのくらい大きいんだろう?
「ダム」ってどんなところかくわしく知りたいな。
この写真は,宇都宮市の水道水と深いかかわりのある「川治ダム」です。
ダムは,川の水が多いときには水をためておき,川の水が少ないときにはためておいた水を流す
など,川の水量を調節しています。つまり,ダムがあることで,こう水や水不足を防ぐことができる
ということです。また,飲み水だけでなく,ダム全体の80%の水は農業につかわれています。
ダムを管理するため,ふだん,周辺の気象観測所というところで雨の降り方を調べたり,
ダムの点検やしゅうりをしたりしています。水が足りなければ「放水」といってダムから水を
出し,川の水をふやします。このように,宇都宮のみなさんが飲む水は,鬼怒川のずっと上流,
群馬県と栃木県のさかいめにある鬼怒沼のあたりから来ます。この水は,千葉県の人たちにまで
届いています。
ところでみなさんは,ダムはダムでも
山にふる雨や雪は川に流れ,やがては,水道水をつくるためのもとになります。
人工的に建てられたダムも,自然の中の
ダムには,川の水量を調整するという重要な役わりがあります。水をためておいたり, 川に水が足りない時には「放水」して水を流したりしています。わたしたちが日々, 必要なときに安心して水道水をつかえるのは,こういったしくみがあるからなのですね。
ダムが川の水の量を調整しているなんて,知らなかったわ!
水道水って,ほんとうに,たくさんの人やしせつ,自然に守られているのね。
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【学習】 使った水はどこへ行くのかを調べ,水のじゅんかんについて考えよう!
【問題】 使った水はどこへ行くのでしょう。
水道水で手を洗ったり,お風呂をわかしたり,お皿をあらったり…
そういえば,使い終わって流れていった水ってどこに行くんだろう?
使った水は,そのまま川や海へ流れていくわけではないんだね!
下水しょ理場(水再生センター)でよごれを取りのぞいて,きれいにした水を戻しているんだ。
きれいにする方法のひとつとして,び生物(アメーバ)を使ったりしていて面白いね。
う~ん…先生! しつもんです。
なぜ,使った水をそのまま川や海へもどさないのですか?
よごれたものをきれいにするのって,とっても大変だと思うのだけど…
それはとても良い気づきポイントですね。
よごれた水をそのまま川や海へ流すと,どんなことがおこると思いますか?
こんな図を用意してみましたよ。
もし,使った水をよごれたまま川や海へもどしたら,川や海がよごれてしまうよね。
よごれた海の水が雲になって,雨をふらせて…この雨も,きっとよごれているという
ことだよね。そしてその雨が川へ流れ,わたしたちの水道水のもとになるってこと。
そのとおり。川や海をよごすことは,自分たちの水をよごすことにつながるのです。
図を見てわかるように、水は「陸地・海・空」をくり返し,ぐるぐるまわっています。
これを「じゅんかん」とよびます。
今まで見てきたじょう水場やダム,山や森,それに下水しょ理場がぜんぶつながって, 水の「じゅんかん」を支えているのね! 川の水をきれいに守ることが,おいしい水道水つくりの第一歩だし,それに,水辺の魚や鳥 たちの命を守ることにもなるのよね。
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